SGH

労働慣行

労働慣行に関する方針

SGホールディングスグループは、全従業員が主体的に行動し、それぞれの能力や個性を活かすための人事ビジョンを2012年に策定しました。

人事ビジョンでは、人材を育成するための組織風土や多様な働き方を明確にするとともに、従業員一人一人が主体となって行動することの重要さを伝えています。

人事ビジョン

労働慣行に関する目標と実績

バウンダリ 中長期目標 2020年度目標 2019年度実績
SGホールディングスグループ(国内) 働きやすい労働環境の整備 ●残業時間の2019年度削減実績
運転職前年比-3.3%
●残業時間の2018年度削減実績
運転職前年比-8.4%
●残業時間の2019年度削減実績
運転職以外前年比-7.8%
●残業時間の2018年度削減実績
運転職以外前年比-5.3%
従業員エンゲージメント調査の改善活動によるフラットな企業風土の醸成と活力ある組織づくり 前年同等以上 ●「従業員エンゲージメント」に関する質問に対して肯定的回答率57.0%(前年比+1.0%)
●「従業員を活かす環境」に関する質問に対して肯定的回答率51.0%(前年比+2.0%)

2019年度は働き方改革の取り組みを通じて、運転職・非運転職ともに前年度と比べて残業時間を削減する事ができました。また、会社と従業員の結びつきを測る従業員エンゲージメント調査では前年比で向上し、外部調査会社より一定の評価を得ました。引き続きエンゲージメント向上への取り組みを行っていきます。

各種人事制度

SGホールディングスグループでは、従業員に対して、公平・公正な機会と安心して働き続けられる環境を提供するため、さまざまな制度を整備しています。

グループ共通人事制度

2012年9月より、国内グループ会社の人材を横断的に活かす仕組みとして、共通人事制度を導入しました。人材の効果的な活用により従業員の自己成長の実現につなげることで、競争優位な人材を育成していくことを目指しています。


共通人事制度(国内)

  • 役割等級制度
  • M/A(マネジャー、アソシエイト)昇格審査制度
  • GM(グループマネジャー)人事制度
  • GS(グループスタッフ)能力開発制度
  • ローテーション制度

公正な評価制度

事業への貢献度と役割等級に求められる役割および行動の実践度を適正に評価することを目的とした評価制度と、一部従業員に対する業績連動型賞与を導入しています。

福利厚生制度

法令に基づいた社会保険の整備に加えて、各種福利厚生施策を実施しています。2017年からは、一般社団法人「SGHふぁみりー共済会」(以下、共済会)が国内グループ会社の従業員に向けた福利厚生サービスを提供するとともに、確定拠出年金制度を含む退職金制度と従業員持株制度も導入しています。 共済会では従業員が生涯にわたって(1)「安心」して働ける場の提供、(2)「健康」になる環境づくりの推進、(3)「楽しく」いきいきと暮らす機会の創出、という3つのコンセプトに沿って「給付金」「各種割引・情報提供」「体験・参加型イベント」というカテゴリーを設けています。これにより、従業員とその家族のロイヤルティの向上を図るとともに、働きがいを感じられる環境づくりとライフサポートを推進していきます。また定年退職者や定年後も嘱託社員として勤務している方などを対象に、OB&OG会を運営し、会報の発行や交流会を開催しています。

従業員エンゲージメントに関する取り組み

SGホールディングスグループは、働きやすい職場環境を提供することは、従業員にとって重要であると同時に、企業の競争力を確保するうえでも必要不可欠だと考えています。2013年から年1回、国内グループの従業員を対象に、会社・仕事への満足度を測る調査を実施してきましたが、2018年度からは、組織力向上や事業成長につなげるために、会社と従業員の結びつき(=エンゲージメント)を測る調査に刷新しました。これにより、従業員は会社の戦略や方針、目標を理解し主体的に働けているか、また、意欲ある従業員を活かす環境が会社には整っているかを確認できるようになりました。

調査結果は、グループ各社社長はじめ組織長によって、組織単位別に強みや改善課題などの面から分析され、従業員へフィードバックが行われます。課題に対してアクションプランを策定し改善活動に取り組むことで、今まで以上に風通しの良い組織づくりを目指していきます。

調査概要

本調査は、国内グループ従業員67,641名(パートナー社員含む)に対して、Webサイトを通じて実施しました。調査の概要は以下のとおりです。

調査時期 調査対象 設問数 回答率
2020年1月 国内グループ従業員 67,641名 86問(各設問に対して5段階で評価する形式) 94.7%
(前年85.8%)

調査結果

全体で15あるカテゴリーのうち、特に会社の戦略方向性への理解や自発性、主体性、会社への貢献意欲を測る指標である「従業員エンゲージメント」と、意欲の高い従業員を活かす環境整備状況を測る指標である「従業員を活かす環境」を重視しています。2019年度調査では、前者は前年比+1%、後者は前年比+2%向上し、調査規模から見て顕著な改善幅であると外部調査会社より一定の評価を得ました。

従業員エンゲージメント
従業員エンゲージメント
従業員を活かす環境
従業員を活かす環境

働き方改革に関する方針

全世界で従業員約95,000名が在籍するSGホールディングスグループは、物流という労働集約型のビジネスで1957年の創業以来成長してきました。これからの物流はドローンや人工知能などの技術の進化により大きく変わっていくことが見込まれます。そのような未来を見据え、成長戦略において最も重要である「従業員」の働き方を、社会情勢に合わせて変革していく必要があると考えています。

特に、グループの中核を担う佐川急便では、EC市場の成長に伴う取り扱い個数の増加や人手不足を背景に、一人一人により高い生産性が求められています。同時に、従業員がやりがいや充実感を持ちながら人生のさまざまな段階に応じて柔軟に働けるような制度や風土の醸成を課題のひとつと捉え、多方面から課題解決に向けたアプローチを進めています。

働きやすい職場風土の醸成や、ITの活用による従来のルーティーン業務や人事制度の見直しなど、多方面からの取り組みを行っていきます。

働き方改革に関する体制

佐川急便は、単純な残業時間の抑制だけでなく、ITを用いた業務効率化や日々の細かな労働時間の管理による残業時間の均衡化、組織風土の変革、一人一人のニーズに合った就業スタイルの整備などに向けて多方面から働き方改革に取り組む体制を構築しています。2018年度には社内の風土改革を牽引する部署として「働き方改革推進課」を人材戦略部内に設立したほか、IT企画部(現在は営業部業務改善課にて対応)が現場に深く入り込んで業務視察を行い、業務の棚卸しや生産性向上のためのヒントを得るなどの施策を展開しています。

働き方改革に関する体制

労働基準に関する方針

SGホールディングスグループは、全従業員が「倫理・行動規範」を理解し、業務において実行できるよう、日本語版・英訳版を社内ホームページに共有し、グループ全体で教育を実施しています。

そのほか海外子会社である、シンガポールのSG SAGAWA AMEROID PTE. LTD(SG佐川アメロイド)が労働省の要件に沿った労働基準に関するポリシーを規定したハンドブックを作成しています。ポリシーは全従業員に伝達され、ハンドブックは社内イントラネット上にアップロードされて従業員が誰でもいつでも見ることができるよう、英語版と中国語版に翻訳されています。毎月すべての従業員が倫理・行動規範を確認できる体制を取っています。

労働基準のフレームワークに関するイニシアティブ

SGホールディングスグループは現時点で、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みである「国連グローバル・コンパクト」の署名には至っておりません。しかし、国連グローバル・コンパクトの10原則を尊重し、事業活動の中で実践することで、健全な企業風土を醸成し、社会の持続可能な発展に貢献していきたいと考えています。なお海外主要連結子会社のEXPOLANKAは2018年10月、国連グローバル・コンパクトに署名しました。

国連グローバル・コンパクトとは、各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会のよき一員として行動し、持続的成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取組みです。詳細は「グローバル・コンパクト・ネットワーク」(https://www.unglobalcompact.org/)のホームページをご参照ください。

現地雇用に関するコミットメント

SGホールディングスグループは、持続的な事業活動の実施・拡大には「地域社会への貢献」が必要不可欠と認識しています。グループ行動憲章では「文化や慣習等ステークホルダーに配慮した経営を行い、当該国・地域の発展に貢献します」と宣言しています。またそれを具体化したグループ倫理・行動規範では「国内外の地域社会の発展に奉仕し、広く社会との共生を目指しています」と明記しました。地域社会を重要なステークホルダーと考え、良好な関係を構築することが重要だと考えています。

このような認識のもと、地域の経済社会基盤の整備・拡充に貢献する経済活動を行い、積極的な地域貢献活動や、事業活動を通じたコミュニティ投資を行うことで、地域社会の発展に貢献しています。国内外の事業展開地域でドライバーやスタッフ等を採用することで現地に一定の雇用を生み出し、また物品やサービスの調達についてもできるだけ域内で行うことで地域経済の活性化に貢献します。

海外子会社のEXPOLANKA HOLDINGS PLCでは、特に事業拡大を進めている欧米地域での現地スタッフの採用を進めています。また現在のところ、スリランカのコロンボにある本部以外のすべての拠点で、現地スタッフの数が駐在員の数を上回っています。

最低賃金を支持する方針

SGホールディングスグループは従業員に対する給与支払いに関し、雇用関係の法令を遵守し、法律で定められた最低賃金以上の給与を設定しています。一部の海外子会社ではさらに、最低賃金について賃金及び給与管理に関するポリシーも策定しています。

過重労働時間の削減に取り組む方針

SGホールディングスグループは、従業員1人1人の業務の効率化を促進し、従業員の総労働時間の継続的な削減を進めています。また、過重労働防止に向けた時間管理の徹底を図っています。海外子会社でも各国の労働法や規制を遵守し、それらに基づくポリシーに沿って過重労働防止に向け時間外労働時間の削減を進めています。

結社の自由に関する権利を支持する方針

SGホールディングスグループは、「国連グローバル・コンパクト」が掲げる 10 の原則の実現を目指し、事業活動並びに企業経営において、社会の発展に貢献していきます。また、労働者と雇用者の結社の自由権、および、団体交渉権についての実効的な承認を誠実に促進します。

風土改革への取り組み

変化の多い社会に柔軟に対応するため、多様な人材が能力を最大限に発揮できるような施策を展開しています。

担当者からボトムアップでさまざまな意見が活発に議論される風土へと改革することで、お客さまのニーズにも、幅広い提案でお応えできるようになると考えています。

佐川オフィシャルコミュニケーション(SOC)の実施

佐川オフィシャルコミュニケーション(SOC)は佐川急便の経営層が全国の営業所に足を運び、現場の従業員と直接意見を交換するための取り組みです。現場の声を経営に反映することを目的に、2013年より開始しました。 2019年度は全国41か所を経営層が訪問し、従業員661名と対話しました。 現場に今後の会社の経営戦略を周知するとともに、現場の従業員と就業における不安や疑問点などを意見交換することで、相互の理解が深まります。 常に現場の声に耳を傾けながら風土改革を推進することで、より現場に寄り添いながら経営を進めることが可能となります。

バックオフィス業務の効率化に向けた取り組み

SGホールディングスグループでは、ITを統括するSGシステムが中心となり、RPA、AI-OCR、音声認識、Chatbot等の技術を導入し、グループ全体のバックオフィス業務の効率化を推進し、適用範囲を拡大しています。

グループ各社の業務効率化による月間削減時間(2020年8月度実績)

グループ会社 月間削減時間
SGホールディングス 59.5
佐川急便 1,185.6
SGムービング 10.0
ワールドサプライ 28.0
佐川グローバルロジスティクス 758.3
SGHグローバル・ジャパン 32.0
SGリアルティ 183.5
佐川アドバンス 66.7
SGモータース 106.0
SGシステム 3,505.9
佐川フィナンシャル※ 34.5
SGフィルダー 1,749.4
SGエキスパート※ 10,140.0
グループ合計 17,859.5

RPAは、Robotic Process Automationの頭文字で、ソフトウェアロボットが、業務プロセスを自動化すること

2020年10月1日より、佐川フィナンシャルとSGエキスパートはSGシステムに統合

AI-OCR(Optical Character Recognition)による伝票読み取りの自動化

SGシステムでは、佐川急便の配送伝票入力業務における人の入力作業をAIが代替し、自動化するAI-OCR※システムを導入しています。配送伝票の「サイズ・重量」欄は、手書きでサイズや重量が記載されており、◯付き数字も混在することから、従来のOCRではそれを認識することが困難でした。そこで約150万件のデータをAIに学習させ、人間を上回る精度で認識する「AI-OCR」を開発し、2019年7月から本格稼働しています。これにより、人の手による膨大な配送伝票入力作業がAIで代替・自動化され、高い品質を安定して維持しながら負荷とコストを大幅に圧縮することが可能になりました。また、今回の新システム開発で培ったAI技術はSGホールディングスグループ各社に順次展開しており、今後はグループ全体のさまざまな業務において人とAIの協働を推進していきます。

Optical Character Recognitionは、手書きや印刷された文字をスキャナなどで読みとり、デジタル文字コードに変換する技術

人材育成に関する方針

SGホールディングスグループは人材育成において、全ての従業員をかけがえのない「人財」と考え、新たな価値を創造し、社会や顧客の課題を解決する「課題解決リーダー」の育成に取り組みます。具体的にはOJTでの実践を通じて成長を促すとともに、OFF-JTなどで知識やスキルの最適な習得機会を提供し、成長を支援することで将来の経営を担う人材を育成します。

また、個の成長と共に組織の成長として、全ての従業員がモチベーション高く、働き甲斐をもって活躍出来るよう、称賛を戦略的に仕組化し、認め合い、褒め合い、そして感謝し合う風土の醸成に取り組んでいます。

OJT(On-The-Job Training):実際の職場で業務を通じて行うトレーニングのこと。

グループ全体研修プログラム(一部抜粋)

内容
アジア研修 東南アジア、南アジアに約10日間滞在し、異文化適応力、コミュニケーション力、リーダーシップの強化を目指す。
海外研修派遣制度 優秀な若手社員に早い段階で海外経験の機会を与えることで、海外事業を担うコア人材を戦略的に育成する。
かがやく未来そうぞう委員会 次世代リーダー育成を目的に、主に若手従業員を対象に2013年度から実施。
SGH University ビジネスに関する基礎的なリテラシーを学ぶ場として2017年に開設。集合型研修、eラーニングが受講可能。
次世代リーダー育成プログラム 係長、課長層から選抜された従業員を対象に、次世代を担う“組織を変革するリーダー”を育成する研修を実施。
階層別研修 各階層に求められる役割に対して必要な知識を学ぶ研修を実施。
グループ研修プログラム

以下についてはリンク先のESGデータブックをご確認ください。

・人材育成のための研修時間および延べ対象者数 P15

人材育成に関する取り組み

SGH University

SGホールディングスグループは、2017年3月に「SGH University」を開設しました。学習意欲があり自分のキャリアを切り拓きたい従業員に向けて、自発的に学べる環境を整え成長を支援しています。各種選抜・公募型の集合研修のほか、自由にテーマを選んで学べる自由選択型研修やeラーニングを受講することが可能で、各階層のキャリア形成を支援します。

アジア研修

東南アジアコース(ベトナム・タイ、中国・フィリピン)と南アジアコース(インド)を2019年7月~11月にかけて実施し、グループ各社から公募で選考した計55人が参加しました。

研修では、現地企業視察、フィールドワーク、ワールドカフェなどを行いながら、日本とは異なる価値観やビジネスの現状に触れることでグローバルな視点を養い、円滑にコミュニケーションを取る方法などを学びました。


個性・多様性を尊重した組織づくり