SGH

デジタル化と最新技術

デジタル化の推進と最新技術の導入に関する方針

少子高齢化に伴う急速な労働人口減少により、さまざまな業界で省力化・デジタル化による、従業員のワークライフバランスの改善や一人当たりの生産性向上に注目が集まっています。

物流業界でも、EC市場における流通量の続伸やドライバーをはじめとする物流の維持に必要な人材の確保が年々難しくなっています。SGホールディングスグループにおいても物流というインフラを安定的に供給し続けるため、テクノロジーの活用によるサービス強化や業務の自動化・省力化を推進しています。

具体的にはGOAL®などを活用した、グループ連携によるサービスの強化、フロント・バックオフィスの業務改革、ITガバナンス強化を実現するための技術導入に積極的に取り組んでいます。

デジタル化の推進と最新技術の導入に関する体制

SGホールディングスがDX戦略を立案し、佐川急便をはじめとする各事業会社が各々の得意領域に関連するDX施策を企画します。DX施策の実行に向けては、物流×ITの分野で長年の実績を持つSGシステムがシステム構築を行います。

また、戦略・実行の両面で、多種多様なパートナーとのアライアンスを積極的に展開します。

デジタル化の推進と最新技術の導入に関する取り組み

荷物とドライバーをマッチングするTMSプラットフォーム

佐川急便は、主に法人顧客向けサービスとして宅配便では運べない大型・特殊貨物の輸送やJIT納品、共同配送、小口チャーターサービスなどあらゆる「運ぶ」を総合的にプロデュースするTMS(Transportation Management System)を事業の新たな柱として展開しています。

全国各地の佐川急便および協力会社のネットワークを活用したTMSビジネスをさらに拡大すべく、荷物と車両をマッチングするTMSプラットフォームを構築しています。TMSプラットフォームにより、荷物とドライバーのマッチング率、協力会社の稼働率、トラックの積載率の向上が期待でき、協力会社と一体となって効率性の高い輸送インフラの構築を目指しています。

TMS(Transportation Management System)プラットフォーム

物流ロボットを導入したECプラットフォーム(シェアリング・フルフィルメントサービス)

佐川グローバルロジスティクスは、次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」にて物流ロボットを導入したECプラットフォームを展開しています。自動棚搬送ロボットなどのAGV(Automated Guided Vehicle)やロボットストレージシステム、自動梱包機などが導入され、同規模の施設に比べ約50%の省人化を実現。仕分け後の出荷フローにおいても、同施設内の佐川急便(国内)、SGHグローバル・ジャパン(海外)と連携し、国内外に向けた輸送にダイレクトに繋げることが可能です。

また、設備にかかる初期投資やスペース使用料などの固定費が不要な従量課金制のため、少量の物量でも設備を備えた大手と同等の作業品質を提供することが可能となっています。スタートアップや新規事業としてECを始める事業者にとって利用しやすい物流プラットフォームの構築を通じて、EC事業者、消費者双方の利便性向上に貢献していきます。

自動棚搬送ロボット:EVE
自動棚搬送ロボット:EVE
ロボットストレージシステム:Autostore
ロボットストレージシステム:Autostore
ロボットストレージシステム:Autostore

伝票情報デジタル化とAIによる配送ルート最適化

佐川急便は、届け先住所や時間指定などの伝票情報をデジタル化し、AIを活用した配送ルート最適化に取り組んでいます。ドライバーは担当するエリアの荷物を見ながら住所や指定時間を考慮して配達順序を考え、荷物の積み込みや伝票の並べ替えを数十分かけながら行っています。この作業を効率化するには約1割を占める手書き伝票が課題となっていました。この手書き伝票の情報をAI-OCRでデジタル化することで、AIによる最適な配達順序に並び替えたルート設定が可能になり、付随する荷物の積み込みや伝票の並べ替えなどの業務効率化も期待できます。

最適化された配送ルートの提示によって、新人や応援者など対象エリアでの経験が浅いドライバーでも、効率的な配達が行えることでお客さまに平準化されたサービスを提供することが可能となります。さらに、新人ドライバーの負荷軽減や繁忙期におけるドライバー応援体制の構築、ドライバー不足解消の一助にも寄与することが可能です。

Optical Character Recognitionは、手書きや印刷された文字をスキャナなどで読み取り、デジタル文字コードに変換する技術


総合物流ソリューションによる新しい価値の創造