SGH

デジタル化と最新技術

デジタル化の推進と最新技術の導入に関する方針

少子化・高齢化に伴う急速な人口減少により、さまざまな業界で働き方の見直しやひとり当たりの生産性向上に注目が集まっています。物流業界でもEC市場における流通量の続伸やドライバーをはじめとする物流の維持に必要な人材の確保が年々難しくなってきています。SGホールディングスグループにおいても物流というインフラを安定的に供給し続けるため、テクノロジーの活用による自動化・省力化を推進しています。

具体的にはGOAL®などを活用したグループで連携したサービスの強化、フロント・バックオフィスの業務改革、ITガバナンス強化を実現するため技術導入に積極的に取り組んでいます。

デジタル化の推進と最新技術の導入に関する体制

SGホールディングスグループではSGシステムが、グループ各社のシステム開発・保守を行っています。今後は「GOAL®」をはじめとしたグループの総合力を活かしたビジネスの展開に注力していくため、グループ全体でIT活用を進めていくことがますます重要となっています。

そのため、SGホールディングスでは2019年4月より新たにIT統括ユニットを設置し、RPA・AI・ロボティクスなどの新技術を活用した業務の効率化・省力化を推進しています。また、これらのノウハウを活かし、グループ内のみならず、グループ外のお客さまにもRPA・AI・ロボティクスなどの新技術を活用した業務効率化・省力化のソリューションを提供していきます。

デジタル化の推進と最新技術の導入に関する目標と実績

対象会社 2019年度目標 2019年度実績
SGホールディングスグループ AI・ロボティクス等、最新技術の導入によるサービス強化と業務効率化・省力化の推進
  • ドライバーと荷主のマッチングプラットフォームの構築
  • シェアリング・フルフィルメントサービスの展開
  • テレマティクスプラットフォームの開発
  • AIを活用した先進的な共同研究を開始
    ほか

デジタル化の推進と最新技術の導入に関する取り組み

ドライバーと荷主を直接つなぐマッチングプラットフォーム

佐川急便では、主に法人顧客向けサービスとして宅配便では運べない大型・特殊貨物の輸送やJIT納品、共同配送、小口チャーターサービスなどあらゆる「運ぶ」を総合的にプロデュースする「TMS(Transportation Management System)」を事業の新たな柱として展開しています。

TMS事業の一環として、2019年9月より、軽貨物事業者と荷主を即時につなぐマッチングプラットフォームやAI・ブロックチェーンを活用した動態管理システム等を提供するCBcloud(シービークラウド)株式会社(以下「CBcloud」)と資本・業務提携契約を締結し、CBcloudのマッチングプラットフォームシステムを佐川急便専用の軽車両チャーターに効率よくマッチングするプラットフォーム「軽貨物チャーターマッチングサービス(軽マッチング)」へと進化させ全国展開を進めています。

本連携により、当日配送など緊急で配送が必要な佐川急便の取引先企業は、24時間365日即時軽貨物の運送網を確保することが可能となります。さらに、見積もりの即時確認、配車時間や配送状況のリアルタイムでの検索も可能であり、配送に関わる一連の管理業務の効率化も実現します。

シームレスECプラットフォーム(シェアリング・フルフィルメントサービス)

SGホールディングスグループは、今年1月に次世代型の物流センター「Xフロンティア®」を開設、施設5階フロアにおいて佐川グローバルロジスティクス株式会社が先進的な物流ロボティクスを導入し、設備やスペースを従量課金制で利用できる「シームレスECプラットフォーム」の提供を開始しました。「シームレスECプラットフォーム」では、自動棚搬送ロボットを始めとしたAGV(Automated Guided Vehicle)や自動梱包機などの導入により、同規模の施設に比べ約50%の省人化を実現するとともに、同サービスを利用することで小規模の物流業務をマテハンの初期投資やスペース使用料などの固定費をかけることなく、大手通販事業者と同等の作業品質で通販ビジネスの展開を可能にしています。

このスマート物流倉庫に導入しているロボティクス・技術には、自動倉庫(オートストア)、自動搬送機(棚搬送型、荷物搬送型)、自動梱包機、コンベア、ゲート・アソート・システム(ゲート仕分けシステム※誤ピッキング防止)、倉庫管理システム(在庫管理)、各種ロボティクスを連携する管理システム等があり、仕分け後の出荷フローにおいても、佐川急便(国内)、SGHグローバル・ジャパン(海外)のプラットフォームと連携した、一気通貫での物流機能をもっております。

自動棚搬送ロボット:EVE
自動棚搬送ロボット:EVE
自動梱包機:Carton Wrap
自動梱包機:Carton Wrap

クラウド型テレマティクス(※1)プラットフォーム

トラック等を使用する貨物自動車運送事業者は、貨物自動車運送事業法、道路交通法等の各種関係法令を遵守することによる輸送の安全の確保を目的に、的確な運行管理業務の遂行が義務付けられています。デジタコ(※2)を活用することで、法定三要素の速度・時間・距離だけではなく急加減速や急ハンドル、速度超過などドライバーの運転情報も記録され、個々のドライバーの運転特性や癖などを把握し、事故を未然に防止するための安全運転指導に役立てることができます。

デジタコメーカーが提供する運行管理システムには互換性がなく連携が難しかったため、SGシステムは1つのシステムで複数メーカーのデジタコ管理が可能なクラウド型運行管理システム「Biz-Fleet」(テレマティクスプラットフォーム)を開発しました。デジタコに加えて、アルコールチェッカーやドライブレコーダー、スマートフォンなど他のIoTデバイスとも連携し、さまざまな情報をクラウドシステム上で集約・管理することが可能です。

佐川急便ではこのシステムの導入を開始し、営業所から離れた外部倉庫にいるドライバーと運行管理者が離れた拠点間で点呼を行える「IT点呼」の活用や運転日報の自動化などによる業務効率化、デジタコの警告による運転指導に伴う燃費削減などを実現しています。

1主に車載システムに関する用語で、通信機能を用いて情報・コンテンツの受信や双方向通信を実現する技術

2デジタルタコグラフ(デジタル式運行記録計)

「Biz-Fleet」導入イメージ
「Biz-Fleet」導入イメージ
IT点呼
IT点呼

AI活用による不在配送問題の解消

佐川急便は、産学共同研究により電力データを用いて荷受人の在不在をAIに判断させることで不在配達を回避、不在再配達を削減するなどの革新的な取り組みについての検討を2019年10月から開始し、2020年秋頃から実際の配送現場において実証実験を行います。この取り組みは、国土交通省が提唱する「総合物流施策推進プログラム」において設定した、宅配便の再配達率の削減目標(不在配送率「-13%程度」)の達成、再配達におけるCO2削減やドライバー不足の解消等に大きな効果が期待できると考えています。

国土交通省の調べによると、個人向け配送における「不在配送件数」は全宅配件数のおよそ2割で、走行距離の25%は再配達のために費やされており、これは年間9万人の労働力(年間約1.8億時間)に相当するとしています。


総合物流ソリューションによる新しい価値の創造