地域社会への貢献

社会課題に対する認識
SGホールディングスグループは、日本のみならずアジア圏を中心に、物流という社会インフラを提供し、地域との密接な関係を有するグローバル企業であることから、地域社会を健全に保つことは、当社グループの持続的成長にとって重要なことです。日本国内では少子高齢化対応と地方創生が喫緊の課題であると認識しています。一方、海外では、新興国における貧富の差の解消が世界的な課題となっています。また、全ての地域において、自然災害への備えや、発生した災害に対する支援などを行うことは社会インフラを担う企業としての責務だと考えています。
地域貢献に関する方針
SGホールディングスグループが社会の信頼と共感を得るための宣言である「行動憲章」と、それを具体的に表現した「倫理・行動規範」には、「国の内外を問わず地域社会の発展に奉仕し、広く社会との共生を目指す」と「地域社会との共生」がうたわれています。それにのっとり、地域社会に対して、経済・社会・環境など総合的な観点からさまざまな施策を行っています。
地域貢献に取り組む体制
日本国内では、全国に400以上の営業所を展開する佐川急便を中心に、地域社会への貢献を行っています。また、自治体などと災害協定や地域包括連携協定を締結し、地域のニーズに合わせた課題解決に積極的に取り組む体制を整えています。
種類 | 内容 |
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災害協定 | 地域防災と災害時における救援物資の集配・仕分け・保管・輸送、人材派遣等 |
包括連携協定 |
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地域貢献に関する取り組み
持続可能なまちづくりへの貢献
地域の交通インフラ維持
佐川急便は、貨物と旅客の輸送や運行を一緒に行う貨客混載を推進しています。人口減、少子高齢化に伴う旅客需要の低迷により、特に過疎化が進む地域では、交通インフラの継続維持や労働力の確保が困難となる社会問題が顕在化しています。
そこで、異なる輸送モードが手を取り合うことによって互いの課題を解決するモデルとして、輸送余力を活用した貨客混載を進めています。トラックによる輸送を削減することで、CO2排出量削減などの環境対策だけでなく、地域の生活基盤となるバス、鉄道などの交通インフラの継続的な維持にも貢献することができます。
〈事例紹介〉「山城ヤサカ交通株式会社」との貨客混載事業

地域防災と災害時の支援
佐川急便は、自治体などと災害協定や地域包括連携協定を締結し、地域のニーズに対応した地域防災と災害時の支援に積極的に取り組んでいます。協定を締結し、日頃から地域と顔の見える関係づくりを進めることで、有事の際に実効性の高い連携がとれるよう努めています。



能登半島地震、復興に向けて支援物資を輸送
2024年1月1日に発生し、能登半島に甚大な被害を及ぼした能登半島地震。佐川急便はライフラインを担う物流企業として、被災者の皆さまに荷物や支援物資を届けるため、全社一丸となって早期の物流サービス復旧に取り組んでいます。



地震から数日後には応援部隊が到着。いち早く「営業所受取サービス」を開始しました。また、金沢市に集まった支援物資を被災地に輸送し、住民に配布。さらに自衛隊と連携して避難所への支援物資輸送も行っています。
物流2024年問題に関する特設サイトがオープンしました!
「NEVER STOPS LOGISTICS」と題した特設サイトをオープンしました。フェリーを活用した代替輸送(モーダルシフト)やセールスドライバー®の作業負担を低減するDX化など、物流2024年問題に対する当社のさまざまな取り組みを適宜発信しています。
地域の産業・観光振興
「手ぶら観光」サービス
各自治体と締結した包括協定の一環として「手ぶら観光」を推進しています。これは、観光客の手荷物をお預かりしたり、次の滞在先のホテルなどへ送ることで、手ぶらで観光を楽しめるサービスです。手ぶら観光で回遊を促し、日本全国での観光促進と地域活性化につなげていきます。
地域農産物・名産品の販路拡大をサポート
佐川急便は、地場企業(農業法人)の農産品や名産品の販路拡大による地域活性化の取り組みのほか、ふるさと納税制度に関する、自治体や地場企業へのサポート業務も行っています。
最初に課題やニーズを共有いただき、担当者の負担軽減や、寄付者の満足度向上に寄与する最適な取り組み案を構築、提案します。
次世代教育
職業体験
佐川急便は、2007年からフューチャー イノベーション フォーラム(FIF)が企画・運営する子ども向け職業体験イベントに協力しています。イベントでは、小学生を対象に自動仕分け搬送機の見学やトラックの乗車体験などを実施しています。
スポーツ支援
SGホールディングスグループは、スポーツを通じた次世代育成教育に取り組んでいます。
滋賀県守山市にはグループのスポーツ施設を有し、各種取り組みに活用しています。
全国高等学校駅伝競走大会
次世代を担う若き高校生ランナーの支援を目的に、大会協賛をしています。
SAGAWA SHIGAフットボールアカデミー
佐川急便では2007年より「SAGAWA SHIGAフットボールアカデミー」を主宰し、サッカーを通じて地域の子どもたちの健全な育成をサポートしています。小中学生を対象としたサッカースクールを運営するほか、滋賀県守山市を中心に幼稚園での訪問キッズサッカー教室も開催しています。
クリーンアップ活動
佐川急便では、従業員の環境に対する意識向上を目的に、2003年度より「環境行動」を制定しており、毎月のテーマに沿って従業員参加型の環境活動を実施しています。2022年度の「環境行動」では、クリーンアップ運動・節水の推進・省エネ活動・エコドライブ・ごみの削減などをテーマとしていますが、その中でも、「クリーンアップ運動」は「環境行動」制定当初から、事業所周辺の清掃などの活動を実施しています。従業員はもとより、地域の企業、自治体、町内会、学校など社外のステークホルダーと協働して実施するなど、当社以外の社会的活動との連携やその参加も促進しています。
エクスポランカ・フレイト(EFL)のGlobal Goodness Program
エクスポランカグループのエクスポランカ・フレイト(EFL)は、SDGs達成のためのプロジェクト“Global Goodness Program”を推進しています。このプログラムは、持続可能なプロジェクトに従業員自らが積極的に参加すること、また従業員が地球の持続可能性に対する意識を高く持つことを目的にした取り組みのひとつです。
プレイポンプ・プロジェクト(南アフリカ)
エクスポランカ・フレイト(EFL)南アフリカは、清潔な飲料水が不足する地域課題の解決を目的に、首都から約2時間離れた地方の学校にプレイポンプを設置する取り組みを行っています。プレイポンプとは、子どもたちが回して遊ぶと、清潔な地下水がタンクにくみ上げられ、水道を通じて地域へと供給される遊具のことです。


ブンダラ国立公園の再生プロジェクト(スリランカ)
ラムサール条約に登録されているスリランカのブンダラ国立公園は、さまざまな国からの渡り鳥がやってくることで有名です。鳥の生態系はそこに生息する植物にも影響されるため、外来植物の生殖が進んだ結果、その影響を強く受けた鳥が締め出されつつあります。そこでエクスポランカ・フレイト(EFL)は2019年より持続可能性のための重要施策の一環として、ブンダラ国立公園の生態系回復を目的とするプロジェクトに取り組んでいます。
外来植物を一掃し、600エーカーの土地に5年間で12万5,000本を植樹することで鳥の生息地の修復と再生を行います。1年目には在来種2万7,000本の木々を植林しました。今後この森へ渡り鳥が戻ってくることを期待しています。
