トップメッセージ
Grow the new Story.
新しい物流で、新しい社会を、
共に育む。

株主・投資家の皆さまには、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
現在の社会・経済環境は、目まぐるしく変化しており、企業を取り巻く事業環境はますます複雑さを増しています。日本国内では、人口減少や高齢化等による人手不足が深刻化しているほか、インフレや賃金上昇の継続・加速が見込まれます。海外では、米国の政権交代を契機とした国際関係の変化や、戦争・紛争等の継続による地政学リスクの増大が懸念される一方、中長期的には世界経済は成長軌道が維持されるものと想定されています。また、脱炭素化などの社会課題への対応も、企業活動を継続するにあたって必要不可欠な要素であり、その重要性はますます高まっています。
このような環境認識のもと、新しい中期経営計画「SGH Story 2027」の策定にあたって改めて、2024年に策定した「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」という「SGH ビジョン 2030」を咀嚼し、「ありたい姿」として、より平易な言葉で、「お客さま、および社会において、必要不可欠な存在(=インフラ)であり続けること」と定義しました。これは、当社グループの創業の原点である「飛脚の精神(こころ)」、お客さまのために精神誠意尽くすこと、にも通じるものです。
ありたい姿となるために、私たちは、「新しい物流」、つまり当社グループが提供するトータルロジスティクスのサービス領域を拡大し、「新しい社会」、変化する社会の中で多様化・複雑化する物流課題を解決して新しい価値を創造することで、持続可能な社会の実現に貢献し、「共に育む」、お客さまのビジネスとともに持続可能な成長を実現していきたい、と考えています。
トータルロジスティクスの領域拡大に向けて、国内では、宅配便をはじめとするデリバリー事業を安定的に成長させ、日本国内の物流インフラを維持しつつ、株式会社C&Fロジホールディングスのグループ会社化を通じて獲得した低温物流領域を活用し、国内サービス領域を拡大してまいります。
海外では、グローバル物流の基盤拡大に向けて、顧客サプライチェーンの販売物流領域をターゲットとした顧客基盤の獲得、インダストリ拡大、サービス領域拡大、エリア拡張による事業規模と収益性の拡大等、品質向上とオペレーション効率化に取り組んでまいります。2025年7月に株式取得を予定している Morrison Express Worldwide Corporation(「Morrison社」)も、既存ビジネスとの大きなシナジーが見込まれ、グローバル物流の基盤拡大に大いに寄与するものと考えています。
さらに、国内外の物流サービス、ネットワークを有機的に組み合わせることでインフラとしての役割を一層広げ、お客さまのパートナーとして、お客さまのサプライチェーンの全体をサポートしてまいります。
同時に、持続的な成長と脱炭素社会の実現を目指し、資源のリサイクルやリユースなどの課題を解決するための静脈物流や、災害支援などの社会課題を解決できるソリューション提供を拡大してまいります。
こうした事業戦略を通じて創出したキャッシュを株主還元や次の成長投資へ結び付けることで、企業価値、株価の向上を実現してまいります。そのために、資本収益性と成長性を基準とした事業ポートフォリオ戦略を策定し、事業成長を実現するとともに、財務戦略に基づく資本コストのコントロールを行い、中長期的なROEの向上を目指します。また、積極的な情報開示および対話を通じて、資本市場の皆さまとの信頼関係を構築してまいります。
2025年3月27日
SGホールディングス株式会社
代表取締役社長
