デジタル化と最新技術
デジタル化の推進とAI・最新技術の活用に関する方針
少子高齢化に伴う急速な労働力人口減少により、さまざまな業界で省力化・デジタル化による、従業員のワークライフバランスの改善や一人当たりの生産性向上に注目が集まっています。
物流業界においても、EC市場における流通量の続伸やドライバーをはじめとする物流の維持に必要な人材の確保が年々難しくなっています。SGホールディングスグループにおいても、物流というインフラを安定的に供給し続けるため、デジタル技術やAIの活用を推進し、サービス品質の向上と業務の自動化・省力化、生産性向上に取り組んでいます。
自家物流を含む物流業界全体をターゲットとして、顧客・他社連携によるプラットフォームサービスの拡充を進めています。また、AIやデータ分析技術を活用した需要予測や配送計画の高度化、業務判断の迅速化、問い合わせ対応や事務業務の効率化などに取り組むとともに、フロント・バックオフィスの業務改革を推進しています。
さらに、生成AIをはじめとする先端技術の活用を進めることで、従業員がより付加価値の高い業務に注力できる環境づくりを目指しています。DX人材の育成やデジタル基盤の強化を通じて、持続可能で強靭な物流インフラの実現に貢献していきます。
デジタル化の推進と最新技術の導入に関する体制
SGホールディングスがDX戦略を立案し、佐川急便をはじめとする各事業会社が各々の得意領域に関連するDX施策を企画します。DX施策の実行に向けては、物流×ITの分野で長年の実績を持つSGシステムがシステム構築を行います。
また、戦略・実行の両面で、多種多様なパートナーとのアライアンスを積極的に展開します。
デジタル化の推進と最新技術の導入に関する取り組み
デジタルツインを活用した倉庫運用の高度化
SGシステムは、EC市場の拡大による物流量の増加や労働力不足、「2024年問題」に伴うコスト上昇などを背景に、倉庫内業務の省人化・自動化に向けた取り組みを進めています。
倉庫運用の改善提案においては、作業者やマテハン設備の動き、入荷から出荷までの工程全体を精緻に把握することが重要です。一方で、従来の分析手法では、倉庫内全体を俯瞰したシミュレーションや、費用対効果を踏まえた改善策の検証に限界がありました。
こうした課題に対応するため、SGシステムは、倉庫内の作業者やマテハンの動きを仮想空間上に再現し、可視化・検証するデジタルツインを活用しています。これにより、複数の運用パターンを短時間で比較できるほか、作業者や設備の稼働率、在庫・出来高の推移、エネルギー消費量、コストなどを定量的に把握することが可能となります。
今後は、デジタルツインによるシミュレーション結果を倉庫運用管理システム、WESと連携し、実際の倉庫運用へ反映することで、デジタルと現場をつなぐ倉庫運用の高度化を進めていきます。また、AIやロボット技術などの先進技術の活用も進め、物流現場のさらなる効率化と付加価値向上を目指します。
物流ロボットを導入したECプラットフォーム(シェアリング・フルフィルメントサービス)
佐川グローバルロジスティクスは、次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」にて物流ロボットを導入したECプラットフォーム を展開しています。自動棚搬送ロボットなどのAGV(Automated Guided Vehicle)やロボットストレージシステムなどが導入され、同規模の施設に比べ約50%の省人化を実現。仕分け後の出荷フローにおいても、同施設内の佐川急便と連携し、国内に向けた輸送にダイレクトに繋げることが可能です。
また、設備にかかる初期投資やスペース使用料などの固定費が不要な従量課金制のため、少量の物量でも設備を備えた大手と同等の作業品質を提供することが可能となっています。スタートアップや新規事業としてECを始める事業者にとって利用しやすい物流プラットフォームの構築を通じて、EC事業者、消費者双方の利便性向上に貢献していきます。
自動棚搬送ロボット:EVE
ロボットストレージシステム:Autostore
AI搭載ロボットによるコンテナ荷降ろし作業の自動化
SGシステムは、物流現場における作業負荷の軽減と生産性向上を目的に、AIやロボット技術を活用した自動化の取り組みを進めています。
コンテナからの荷降ろし作業は、重量物の取り扱いや高温環境など、作業者にとって負荷の大きい業務です。また、コンテナ内にはサイズや重さの異なる荷物が混載されているため、ロボットによる自動化が難しい領域とされてきました。
こうした課題に対応するため、XYZ Robotics株式会社およびサンワサプライ上海有限公司と連携し、AI搭載の荷降ろしロボット「RockyOne」を導入しました。商品のサイズや重量、積載状態の調査・分析に加え、シミュレーションによる事前検証や荷物の積み方などの運用面の見直しを組み合わせることで、混載時においてもロボットによる荷降ろし作業の自動化率向上を実現しています。
今後も、先進技術の導入と現場運用の改善を組み合わせ、物流現場のさらなる省人化・効率化を進めていきます。
| 導入効果 | 実証実験(2024年10月-11月) | 本導入(2025年4月~) |
|---|---|---|
| コンテナ内作業者数 | 0人を実現 | 0人(継続) |
| 重量物処理能力 | 250個/時間→人手の1.5倍 | 320個/時間→人手の1.9倍 |
| 軽量物処理能力 | 350個/時間→人手と同等 | 470個/時間→人手の1.3倍 |
