SGH Stories
街で見かける当社グループの配送トラックが、地球にやさしい車両に入れ替わっているのをご存じでしょうか。電気で走るもの、水素で走るもの、さらには電動アシスト自転車まで。この記事では、気候変動と物流の関係をひもときながら、あなたの街で活躍する“エコな配送車”をご紹介します。
国内の酷暑、欧州の山火事…異常気象と「車」のつながり
今年の夏も、暑い日が続きました。天気予報で「酷暑日」という言葉を耳にした方も多いはずです。気象庁が2026年4月から使い始めた用語で、最高気温が40度以上の日を指します。35度以上の「猛暑日」だけでは、暑さを伝え切れなくなったためです。2025年の夏には群馬県伊勢崎市で41.8度と、観測史上最高を記録。海外でも、今年の西ヨーロッパは6月としては前例のない暑さが続き、フランスやスペインでは山火事が相次ぎました。
背景にあるとされるのが、気候変動です。世界共通の課題は、地球温暖化に影響を及ぼすCO2などの温室効果ガスの削減で、日本も2050年までに排出量を実質ゼロにする目標を掲げています。
この課題は、物流業界とも深く結び付きます。国土交通省のデータによると、2024年度に国内で排出されたCO2の約19%は、車や船、飛行機などの乗り物から出たもの。トラックなどの貨物自動車だけで、日本全体の7%以上を占めます。便利な暮らしと環境への負荷は、背中合わせ。だからこそ、物流の現場も変わり始めているのです。
EV、FCV、PHV、天然ガス。進む「環境対応車」の開発!
「環境にやさしい車」といっても、さまざまなタイプがあります。代表的な種類を見てみましょう。
EV(電気自動車)は、バッテリーにためた電気でモーターを回して走るクルマ。走行中にCO2をまったく出さないのが最大の特長です。FCV(燃料電池車)は、水素と空気中の酸素を反応させて電気をつくり、その電気で走ります。走行中に出るのは水だけ。燃料を充てんする時間が短いのも利点です。
ハイブリッド車は、ガソリンで動く「エンジン」と、電気で動く「モーター」を走る状況に応じて使い分け、燃費性能を高めたクルマ。ガソリン車に比べてCO2排出が少ない一方、ガソリンを燃料として走行中に車が自ら発電するため、EVのような充電は必要ありません。PHV(プラグインハイブリッド車)は、外から充電もできるハイブリッド車。天然ガス車は、軽油の代わりに天然ガスを燃料にする車。CO2の排出が少なく、黒煙などの有害な物質もほとんど出しません。
それぞれに特徴があり、走る距離や積む荷物、走るエリアなどによって向き不向きも変わります。
あなたの街でも探してみて! SGHグループの環境対応車
では、私たちの街では、SGホールディングスグループのどんな車が走っているのでしょうか。佐川急便が環境に配慮した車両を導入し始めたのは1990年代。業界に先駆けて天然ガスのトラックを取り入れました。その後、時代に合わせた最新技術を取り入れながら、保有する環境対応車はこの8年で2倍以上、2万3,000台超にまで(2024年度末時点)。その代表的な車両を見ていきましょう。
EVトラック
佐川急便の小型EVトラック
ワールドサプライのEVトラック
佐川急便では小型EVトラックを住宅街での集配などに使っています。エンジンがないため走行音は驚くほど静かで、早朝や夜間でも街の静けさを保つことができます。荷台の「EV」の文字が目印です。ワールドサプライでは、百貨店への納品代行にもEVを導入し、銀座や日本橋の売り場へ商品を届けています。
冷蔵冷凍EVトラック
名糖運輸の冷蔵冷凍EVトラック
名糖運輸で導入された冷蔵冷凍EVトラックは、貨物庫内を冷やす装置まで電気で動かします。従来の冷蔵冷凍トラックは、貨物庫内を常に低温に保つため、荷降ろし中などもエンジンをかけ続ける必要がありました。同じ大きさのディーゼルトラックに比べ、CO2を年間21%減らせる計算です(1日65km走行時の試算)。
FCVトラック
佐川急便のFCVトラック
水素で電気をつくりながら走り、排出するのは水だけです。現状では水素を補給できる場所が限られるなど課題もあるため、まだ台数は少なく、街で出会えたらかなり珍しい1台です。
ハイブリッドトラック
佐川急便のハイブリッドトラック
ヒューテックノオリンのハイブリッドトラック
ヒューテックノオリンが2024年に導入した大型の冷凍トラックもハイブリッド車両で、低燃費かつ一度に積める量が多いので配送効率も向上し、1台当たり年間およそ16トンのCO2削減が見込まれます。
電動アシスト自転車
佐川急便の電動アシスト自転車
厳密には“車”ではありませんが、全国60の営業所に計155台が配備されています(2020年時点)。コンパクトな見た目ですが、150kgまで運ぶことができ、台車ごと荷物を積むことができるので積み替え作業の効率もアップします。
安心して暮らせる未来のために 脱炭素実現への道は続く
こうした環境対応車への移行は、SGホールディングスグループが掲げる脱炭素ビジョンに基づくものです。「温室効果ガスの排出量を、2030年までに2013年度比で46%削減」、さらに「2050年には、排出を実質ゼロにする」カーボンニュートラルを目指しています。毎日、多くのトラックを走らせてサービスを展開している企業グループであり、物流という社会に欠かせないインフラを担う事業者として、気候変動への対応は欠かせないものと考え、積極的に取り組んでいます。
街を走る1台のトラックが、未来を少しずつ変えていきます。今度見かけたら、そんな環境対応車の活躍に、少しだけでも思いをはせてみてください。
