SGH Stories
あなたのもとに届く、一つの荷物。そこには、送り主のお名前と共に、大切な想いも込められています。「ありがとう」も、「おめでとう」も、「お元気ですか」も。私たちSGホールディングスグループは、色とりどりの想いを乗せた荷物を、毎日、日本中へ、そして世界へお届けしています。事業領域が大きく広がった今も、その一つ一つの根っこにあるのは、創業以来変わらない一つの言葉です。
かつて江戸の街道を行き交った飛脚から、1957年の京都で運ばれた10台のカメラ、そして今このときへ。私たちの原点を、少しだけご紹介させてください。
江戸の飛脚が運んだのは、荷物だけではなかった
時代劇でおなじみの飛脚。彼らが運んでいたのは、書状や荷物、金銭、為替など、人々の暮らしと商いに欠かせないものでした。トラックはおろか、自転車すら生まれる前の時代に、飛脚は離れた土地の町と町、人と人を結ぶ、社会にとってなくてはならない存在だったのです。
その中には、一人が走り切るのではなく、宿場や村ごとに次の担い手へと受け渡し、目的地までつないでいく仕組みもありました。この方法で、人の足の力だけで盛岡から江戸まで3~4日で書状を届けたという記録もあるそうです。手から手へ。託されたものを、少しでも早く、また次の誰かへ。そうやって荷物は、少しずつ、けれど確実に、待つ人のもとへ近づいていきました。
当時の飛脚に関するあるおきてには、荷物を大切に扱うこと、日限を守ること、道中で事故があっても荷物を見捨てないことなどが記されていたといいます。飛脚に求められたのは、足の速さだけではありませんでした。人から預かった大切なものを、責任を持って次へつなぐこと。その速さの裏には、いつも「信頼」があったのです。
佐川急便の車両にも昔から使用されてきた「飛脚」のマーク。右が現行のもの
お客さまの信頼にお応えする。“10台のカメラ”の重み
時は下って1957年。京都の片隅で、一人の若者が自らの身一つで“現代の飛脚業”を始めました。京都市中で荷物を預かり、電車に乗って大阪駅へ。商店街を回って配達しながら荷物を預かり、再び京都駅へ…。誰だって、見ず知らずの人に大切な荷物は預けられません。一軒一軒のお店を回り、お仕事を頂けなくても丁寧にごあいさつをして、顔を覚えていただく。それを続けていくうちに、商店のお客さまから大切な商品である高価なカメラを一度に10台もお預けいただけるようになりました。
当時、小口の荷物は、お届け先に着くまで1週間以上かかることが当たり前でした。そんな中で彼が耳を傾けたのは、お客さまからの「もっと早く届けてほしい」という切実なお声でした。工夫を重ねて、翌日までにお届けできるよう、仕組みを整えていきました。
これが、今のSGホールディングスグループへと続く歩みの出発点。たった一人の小さな“運ぶ”から、すべては始まったのです。
お客さまのことを考え、お客さまのご要望にお応えするために、できることを精いっぱい実践する。かつて、江戸の飛脚が信頼を胸に街道を駆けたように——そうした一貫した想いが、その後の歩みを力強く支えていきました。
創業者がお預けいただいたのは、高価なライカのカメラでした
一つ一つの“運ぶ”に込める、「飛脚の精神(こころ)」
創業者が大切にし続けたこの想いは、やがて「飛脚の精神(こころ)」という言葉に結実し、私たちの誰もが胸に刻むものとなりました。それは、単に早く運ぶことではありません。お客さまのために何ができるかを常に考え、誠心誠意尽くすことです。
荷物には、送り主の目的や、お届けする相手への想いが込められています。だからこそ、ただ物を移動させるのではなく、大切な荷物を「お客さまの心とともに」お届けする。その姿勢こそが、飛脚の精神(こころ)なのです。
変わる物流、変わらない原点
あれから半世紀以上。私たちが取り組む仕事は、宅配便だけにとどまりません。デリバリー事業を軸としながら、国内外のロジスティクス、不動産、そしてそれらを支えるさまざまな領域へと広がっています。今や物流は、皆さまの暮らしと、社会・経済活動を支える、大切な社会インフラにまで発展しました。
けれど、どれだけ事業が多様になり、技術が進化しても、変わらないものがあります。それが「飛脚の精神(こころ)」。京都の街の小さな歩みから始まった私たちの仕事は、その規模がどれほど大きくなっても、出発点にあるのはいつも同じ想い——目の前のお客さまのために、自分たちは何ができるか——です。
江戸の飛脚から、1957年の創業、そして次の時代へ。運ぶ方法も、扱う荷物も、仕事の規模も、大きく変わりました。それでも、託されたものを、想いごとお届けする心は変わりません。「飛脚の精神(こころ)」は、これからも私たちが次の一歩を踏み出すための、確かな原点であり続けます。今日も、あなたのもとへ。私たちは、「飛脚の精神(こころ)」を胸に、走り続けています。
