YUKI SATO 佐藤 悠基

SgHope
Hopeが語る、SGホールディングスグループ
SgHope interview

YUKI SATO

SGホールディングス
陸上競技部 選手兼アドバイザー

佐藤 悠基

※所属は取材当時のものです

自分への“期待”を失わない限り
限界を超えて走り続けられる

今後を見据え、新たな挑戦ができる環境へ

 私がSGホールディングスに加入したのは2020年。今後を見据えた新しい取り組みが必要だと考えていた時期でした。選手として走り続けることはもちろん、後進に道を示していくことも思い描いていたので、そのための勉強ができる環境を求めていたんです。SGホールディングス陸上競技部はその環境を整えてくれると感じられましたし、部長や監督をはじめ、スタッフ陣から熱意ある言葉をかけてもらい、「選手兼アドバイザー」という立場で入部することになりました。

 入部した2年前、チームとしての印象は「もっと上を目指せるチーム」というものでした。このままではもったいない、と。自分には、これまでさまざまなレベルで戦ってきた経験がありますし、その経験をこのチームの成長に生かすことが求められているとも感じていたので、特にスタッフに対しては、遠慮なく意見を伝えていこうと思いました。実績を上げているチームには、「勝てるチーム」特有の意識の持ち方や練習への向かい方があります。自分の役割は、SGホールディングスをそこに持っていくことなんです。

「勝てるチーム」への成長。背中を見せるアドバイザーとして

 経験上、強くなるチームは、一人強い選手がいたら、他のメンバーはそこに食らいつき、練習を積んでいく。それが普通だという雰囲気があります。個々の力が上がる結果として、チーム全体の実力も底上げされます。強い選手の存在は、分かりやすい共通目標になりますし、お互いの向上心を刺激するものです。反対に、なかなか勝てないチームの場合、「あの人は別格、特別」「自分たちとは違う」と考えてしまいがち。せっかく良い目標が身近にあるのに、自分に上手く生かせない。それでは、なかなか上に上がって来られないですね。いろいろなチームを見てきましたが、そこが大きな差だと感じます。

 スタッフには勝てるチームになるため意見を伝えていますが、自分自身は「見て盗む」タイプでしたし、アドバイザーとはいえ後輩に対しても自分から積極的に声を掛けるスタンスではありません。相手に「もっと実力をつけたい」という大きな熱量が無ければ、伝わらないと思っているので。だから、自分の練習への姿勢や、レースへの取り組みで、道を示せるよう心掛けているつもりです。自分にとってもプラスになりますしね。もちろん、積極的に助言を求めに来る熱量のある選手に対しては、自分の経験をすべて話すようにしています。

 SGホールディングスのチームとしての雰囲気は、年々良くなってきていると思います。選手たちもやるべきことをやっていますし、今年のニューイヤー駅伝では過去最高の6位を記録し、上位3位にも手が届くところまで来ました。もちろん、ここから上に行くのがかなり大変なのですが、個人もチームも失敗を重ねながら改善していくものだと思っているので、自分自身も含め、頑張っていきたいですね。

速くなるには、ハードワークを積み重ねるしかない

 競技者としての在り方について、いろいろなことを聞かれますが、私は自分を天才型だとは思いません。もっと速く走りたい、もっと強くなりたい、という思いで、試行錯誤しながら、ハードな練習を積み重ねてきました。ハードワークは当然きついですが、そこで我慢できるメンタルが無ければ、ここぞという場面で勝負することはできません。常に世界で勝負することを意識しています。世界のレベルはどんどん上がっているので、乗り遅れないためには、今まで以上にハードワークをこなさなければいけません。年齢的にも、いかに練習で補うかが問われる時期に来ていると思うので、「どれだけハードな練習ができるか」という点に、今はフォーカスしています。

 一方で、だからこそ「引き際」も重視しています。今日(取材日)も、脚に少し違和感があったので、無理はしませんでした。ハードワークの継続には、怪我をしないことが第一です。そのために日ごろのケアは欠かせませんし、少しでも異常を感じたら一歩引かなくてはいけない。この調整力・修正力、自分の体に対するセンサーは、他の人よりもあると思っています。

 もちろんそれも、過去のさまざまな失敗の賜物です。失敗からは改善点を学び、必要以上に悩んだり引きずることはしない。悩んで速く走れるならいくらでも悩みますが、そうではないですからね。

純粋に走ることが好き。だから一秒でも速く、これからも走り続けたい

 陸上をやめたい、と思ったことは一度もありません。もともと走ることが好きですし、自分にはこれしかないと思っているので。私の24時間の中には、どこかしらに「走る」ことが組み込まれているんです。特に、長距離走は生涯スポーツですから、高齢になって競技に出られなくなっても、走り続けること自体はできます。そういう意味でも、生涯を通じて走ることは続けていきたいですね。

 陸上競技への注目は少しずつ高まっているとは思いますが、サッカーや野球など他の競技と比べると、観戦すること自体を楽しみにしてもらえるようなエンターテインメントとしての仕掛けづくりが、まだまだ足りていないと感じています。こうしたさまざまなきっかけをつくり、トラック&フィールドの魅力をもっと広めていかなければとも感じています。市民ランナーの皆さんにも、気軽に走る楽しみを味わってほしいですね。もちろん目標を掲げて達成するために練習をするのも良いことですが、「速く走らなければいけない」「止まってはいけない」と無理をしてしまうと、走ること自体が苦痛になってしまいます。好きな景色を楽しみながら、ふと立ち止まって季節の移ろいを感じてもいいですし、喉が乾いたらコンビニに立ち寄ったっていいんです。ぜひ、自分なりの楽しさを探してみてください。

 私自身の直近の目標は、もちろんMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)です。夏までは何本かレースをこなし、そのあとはMGCに向けて高地での合宿が待っています。陸上競技には勝負を競う側面と、自己のタイムを競う側面がありますが、後者にはゴールがありません。まだ先がある、一秒でも速く走りたい、という思いが常にあります。一方、前者を代表する駅伝や選手権は狙って勝ちにいくものですので、そこで勝てればやはりうれしいですね。

HOPE-目指す理想とは…

 自分が自分に一番期待し続けていたい。それが、私のHOPEです。自分に可能性を感じなくなったら、期待できなくなったら、それが引退するときだと思っています。

 マラソンでなかなか結果が出せなかった時期でも、自分への可能性は感じていましたし、今でも「もっと強くなれるはず」と、自分自身に期待し続けています。もちろん、その期待に自分が応えるためには、ハードな練習や取り組みを続けていかなければいけません。それを続ける中で、結果として私の姿を見た周囲の人たちが、何かを感じ取ってくれればいいと思っています。

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※所属は取材当時のものです

KENTA
SUZUKI

ロジスティクスの営業と現場の立ち上げにまい進

佐川グローバルロジスティクス株式会社
鈴木 健太