SGH

マテリアリティとKPI

中期経営計画とマテリアリティ

当社グループは、1957年の創業以来、お客さまのために何ができるかを常に考え、誠心誠意尽くすという「飛脚の精神(こころ)」を胸に、「信頼・創造・挑戦」を企業理念として掲げてきました。加えて、2017年度に定めた「CSR重要課題」等を指針に、ステークホルダーの皆さまの期待に応えるべく、事業活動を通じてさまざまな社会課題の解決に取り組み、新たな価値の創造を目指してまいりました。
一方で、「CSR重要課題」の策定から5年が経過し、国際社会では気候変動対策の必要性がより一層強調され、企業でも共有されるとともに、当社グループでは、2030年に向けた長期ビジョン「Grow the new Story. 新しい物流で、新しい社会を、共に育む。」を掲げるなど、社内外の経営環境は大きく変化しています。

こうした中、当社グループのさらなる中長期的な企業価値向上を実現すべく、事業活動における重要性の観点から「CSR重要課題」を見直すこととし、中期経営計画「SGH Story 2024」で定めた「重点戦略(10項目)」を、ESGを含む経営上の重要課題「マテリアリティ」として再定義し、サステナビリティと経営計画の統合を推進してまいります。

特定プロセス

次のプロセスを経てマテリアリティを特定

  • 内外環境分析を通して、当社グループにおける中長期的な事業機会とリスクを整理
  • 1に鑑みてグループ経営課題を洗い出し、優先順位の高い重要項目を抽出
    「グループ経営戦略会議」や「グループ予算委員会」でのディスカッションを通して、中期経営計画の重点戦略10項目を設定
  • 「サステナビリティ委員会」の下部組織「マテリアリティ専門部会」にて、マテリアリティの再設定について議論
    2で設定した中計重点戦略10項目をマテリアリティとして再定義
    参考:中長期的な事業機会とリスク(543KB)

価値創造ストーリーにおけるマテリアリティの位置づけ

SGホールディングスグループの価値創造ストーリー

マテリアリティの概要

マテリアリティの概要

マテリアリティとKPI

大項目 小項目 主な取り組み KPI 2022年度進捗
総合物流
ソリューションの
高度化
(1)脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスの推進
自社およびお客さま(荷主)のGHG排出量削減
スコープ1+2排出量削減率
(2013年度対比)
※2024年度目標:15%削減
・スコープ1+2排出量 2013年度対比13.4%削減
・軽自動車(ガソリン車)の減車、ハイブリッド車への切替や再エネ導入率の拡大により前期比4.1%削減
電力使用量に占める再エネ率
※2030年度目標:40%
・再エネ率27.8%(前期比+13.2ポイント)
環境対応車比率
(EV、HV、CNG、クリーンディーゼル合計)
※2030年度目標:98%
・環境対応車比率64.1%(前期比+4.9ポイント)
社会・環境課題解決に向けた新規サービス・事業の検討 新規サービス・事業の創出と拡大に向けた取り組み推進 ・環境に配慮した輸送「飛脚JR貨物コンテナ便」のサービス開始
・循環型社会の実現に向けた家電製品リサイクルサービスの拡大
(2)TMS・3PLネットワークの拡充と周辺ソリューションの高度化 ・TMS案件数の拡大
・既存顧客のTMS利用率上昇
TMS営業収益
※2023年度目標:1,280億円
・TMS営業収益1,197億円(前期比116.9%)
・積極的な提案営業により前年を上回って推移
(3)国際・海外向けサービスの強化 ・既存顧客シェア拡大
・新規レーン、インダストリ拡大
Expolanka営業収益
※2023年度目標:1,370億円
・Expolanka営業収益2,073億円(前期比54.9%)
・海上、航空貨物取扱量は米国内の過剰な在庫水準の継続等により前年から大幅に減少
上記市場環境のなか取り組みは途上
(4)宅配便のサービス向上と効率化による収益性向上 ・新サービス開発、宅配便周辺サービスの強化
・新領域への拡販
取扱個数
※2023年度目標:14.0億個
・取扱個数14.1億個(前期比99.1%)
・経済活動回復も、3Q以降で荷動き鈍化
適正運賃収受の取り組み 平均単価
※2023年度目標:648円
・平均単価643円(前期差△3円)
・継続的な適正運賃収受の取り組みを実施
一方で、前期より大型荷物減少によりわずかに低下
宅配便の生産性向上 デリバリー事業営業利益率
※2023年度目標:7.8%
(社内外リソース強靭化に向けたコスト先行により、
営業利益率は前年から減少見込。
取り組みにより、期末に向けて改善予定)
・デリバリー事業営業利益率9.5%(前期差+0.6ポイント)
・人員適正化およびデジタライゼーション等による効率化により適切なコストコントロールを実施
競争優位につながる
経営資源の拡充
(5)アライアンスを含めた国内外輸配送ネットワークの強化 【国内】
パートナー企業(協力会社)との関係強化およびサポート体制の拡充
・SAGAWAパートナープログラムの拡充
・適正取引促進会の実施
・SAGAWAパートナープログラムのHP公開、サービスガイド配布、ポスター掲示等を通した周知、展開
【海外】
営業戦略に紐づいたアライアンス先の拡充
アライアンス先の拡充 ・中国越境EC案件の獲得に資する現地アライアンス先とのネットワーク拡大
(6)人的資本への投資およびエンゲージメントの向上 ・経営人材、ソリューション提案ができる人材の育成
・多様な働き方の実現、柔軟な人材登用
・経営人材、ソリューション人材育成に向けた研修等の実施
・働き方改革施策の推進
・経営者育成プログラム、女性キャリア支援研修、次世代リーダー研修等の実施
・若手社員早期育成に向けた登用制度の導入
・D&Iを理解し、主体的に取り組む風土醸成に向けた社内委員会、セミナー等の推進
・従業員エンゲージメント指標の定期モニタリング
・モニタリング結果を通した取り組みの計画、推進
・「従業員エンゲージメント」に関する質問への肯定的な人の割合
・「従業員を活かす環境」に関する質問への肯定的な人の割合
・「従業員エンゲージメント:」57%(前年差±0ポイント)
・「従業員を活かす環境」:54%(前年差+1ポイント)
(7)DXへの投資による競争優位の創出 ・3つの側面(サービスの強化、業務の効率化、デジタル基盤の進化)からの施策推進
・DX企画立案を担う人材の育成
・DX戦略によるサービス/施策の推進
・DX企画人材育成活動の推進
・宅配伝票のフルデジタル化
・中期経営戦略におけるDX戦略推進が評価され、「DX銘柄」に2年連続選定
(8)オープンイノベーションなどによる新たな価値の創造 アクセラレータープログラム開催と、新規事業創出に向けた体制強化 新規事業/サービス創出に向けた活動の推進 ・オープンイノベーション活動を国内事業会社10社へ拡大
・アクセラレータープログラムにおいて、事業化検討を進める4社のパートナー企業を選定
ガバナンスの
更なる高度化
(9)グローバル化に対応したガバナンスの構築
(10)コンプライアンスの継続的な強化
・国際法務機能の強化、海外子会社のガバナンス強化
・予防的な法務/コンプライアンス強化に向けた体制整備や教育推進
グローバル化に対応したガバナンス強化、コンプライアンス高度化に向けた取り組みの推進 ・海外事業会社の内部統制制度の強化
・セキュリティ教育、ハラスメント教育等の推進

管理体制

「グループ経営戦略会議」を活用して、当社所管部署および当社グループ各社とマテリアリティKPIの進捗状況を確認し、達成度に乖離が生じている際には、要因分析や対策の検討を行います。内外の環境変化等によるグループの方針や施策に変化が生じた場合または生じる見込みとなった場合は、目標やKPIを再設定することも含めて検討します。また、「グループ予算委員会」では、マテリアリティKPIの進捗状況を踏まえた次年度の施策および予算の検討を行い、マテリアリティに対する取り組みを継続的に推進してまいります。

加えて、マテリアリティのうち「アライアンスを含めた国内外輸送ネットワークの強化」「人的資本への投資及びエンゲージメントの向上」「グローバル化に対応したガバナンスの構築」のリスク側面は、「気候変動への適応と緩和」と合わせてグループの戦略リスクに特定しています。グループのリスクマネジメント機関である「グループリスクマネジメント会議」を通じて、上記戦略リスクをコントロールする方策について検討・議論を行い、経営計画への反映を図ります。