霧島錦江湾国立公園は、我が国最初の国立公園の一つであり、昭和9(1934)年に霧島国立公園として誕生しました。本公園は、大きく北部と南部に区分され、それぞれ霧島地域、錦江湾地域として、特徴的な景観を有しています。
公園北部の霧島地域では、大小20以上の火山が連なり、火山活動に伴って誕生した火口湖、噴気現象、温泉および高原などとともに、自然植生も多く残されています。霧島地域の主な利用拠点であるえびの高原、霧島温泉郷、高千穂河原、霧島神宮などには、多くの観光客などが訪れます。公園南部の錦江湾地域では、現在も噴煙を上げ地域のシンボルともなっている桜島を中心として、薩摩半島側には開聞岳や池田湖、知林ヶ島など、また大隅半島側には亜熱帯性植物が多く生育する佐多岬 、そして湾内の海域も含め特色のある景観が広がっています。
新燃岳
霧島地域で現在活発に活動している火山で、平成23(2011)年1月に大規模な噴火を起こしました。韓国岳山頂から火口内を見ることができます。
高千穂峰
天孫降臨神話が伝わる神秘的な山で、登山道沿いにミヤマキリシマの群落を見ることができます。ミヤマキリシマの見頃は5月中~下旬頃。
ミヤマキリシタ
ツツジの一種で九州各地の高山に生育しています。火山活動により生態系が撹乱された山肌で優占種として生存できることから、火山周辺に多く生育しています。開花時期には、山肌をピンク色に染めます。
アカショウビン
動物
海域では、黒潮の影響を受けて、石サンゴ類やトサカ類(海藻)により色鮮やかな海中景観が広がっており、チョウチョウウオ、ソラスズメダイといった亜熱帯性の魚類が泳ぎまわる特色ある生態系を見ることができます。
霧島地域では、鳥類では非常に希少なヤイロチョウや特徴的な鳴き声を響かせるアカショウビン、昆虫類では分布南限のキリシマミドリシジミやウスイロオナガシジミなどが生息しています。
霧島地域では、近年ニホンジカの生息数が増加しつつあり、その強い摂食圧が植生全般に大きな影響を与えています。
※写真:環境省提供