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SGホールディングスグループ
「CSRレポート2017」に対する有識者意見

評価できること

立教大学経営学部 教授 高岡 美佳 氏

立教大学経営学部 教授
高岡 美佳 氏

全体を通して、「信頼、創造、挑戦」をキーワードとするSGホールディングスグループの経営理念が明確に反映された良いレポートだと思います。SGホールディングスグループは、今年、創業60周年を迎えました。時代や地域ごとに環境は異なりますが、社会の課題や期待を「事業」に反映することで持続可能な社会の発展に貢献するというグループのスタンスは一貫しています。本業の中に組み込まれたCSR活動は持続性が高く、SGホールディングスグループの社会的責任意識の高さを示しているとも言えるでしょう。このような、CSRに対する真摯な姿勢を高く評価したいと思います。
特集1(p.8〜10)はSGホールディングスが世界戦略の拠点と位置づけるベトナムにおいて、2015年に100%自己資本の「SG佐川ベトナム」を設立し、1997年に設立した「佐川急便ベトナム」とともに3PL事業を営み荷主の生産性向上に貢献する様子を描いています。また、ベトナム現地の労働環境をふまえ、自社および委託先の従業員が法令を遵守した上で、いきいきと働くことのできる環境を整えていると報告しています。
今回のレポートで最も評価したいのは、この一年間でSGホールディングスグループの「個性・多様性ある組織づくり」(p.37〜42)が大きく進展したことです。あらゆるステークホルダーの人権を尊重する方針にコミットする「SGホールディングスグループ ヒューマンライツポリシー」の制定と公開は、海外で取引を行う上で非常に大きな意味を持っています。トップメッセージにあるように、グローバル企業は取引の前提条件として、サプライチェーンにおいて人権・環境・安全に配慮することや、チェーン全体の環境・社会リスクを管理することを求めているためです。また、国内においても、従業員の復職を支援する「SGH Kids Garden」や企業内大学「SGH University」を開設しました。ステークホルダーが公平・公正な環境のもとで、持続的に働くことのできる仕組みが急速に整いつつあると言えるでしょう。これらの一連の取り組みを高く評価したいと思います。
さらには、グループ内の佐川急便が全営業所に品質管理責任者を選任してISO9001:2015認証の再取得に向けた活動を始めたり、SGムービングが設置輸送の知識と技能を競い合う「品質選手権」を開催する(p.22)など、品質管理のための体制が整備された点にも着目しています。物流という「サービス」の生産・販売は、「モノ」の生産・販売に比べて人が間に介在するため品質にバラツキが出やすい傾向があります。お客さまの安全・安心のためにも、そして、グループのさらなる発展のためにも、今後も活動を継続していただきたいと思います。

要望したいこと

現在、SGホールディングスグループでは国内7社がCSRを推進する体制を構築していますが、次年度は、これをグループ内の他の事業会社へも拡大していただきたいと思います。また、今回のレポートでは、海外グループ企業の事業やCSR活動が多数紹介され、SGホールディングスグループが中期経営ビジョンで掲げる「アジアを代表する総合物流企業グループへ」と発展を遂げていることが見て取れますので、今後、各国の海外現地法人が自律的にCSRマネジメントを推進できる体制を構築していただくことを期待します。
もう一点は、データの開示に関してです。SGホールディングスグループはこれまで、天然ガストラックを多数保有し物流業界で初めて「カーボン・ニュートラル」認証を取得するなど、物流業界のリーディングカンパニーとして意欲的に地球環境の保全・改善に取り組んできました。現在、レポートでは、エネルギーやCO2排出量の集計が国内に限定されていますので、今後は、水や廃棄物等も含めた環境データに関して、海外も含めたグループ全体での集計と開示を検討してはいかがでしょうか。

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