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SGホールディングスグループ
「CSRレポート2016」に対する第三者意見

評価できること

立教大学経営学部 教授 高岡 美佳 氏
立教大学経営学部 教授
高岡 美佳 氏

全体を通じて、「社会の課題や期待を事業活動に反映し、持続可能な社会の発展に貢献する」というSGホールディングスグループのCSRに対する考え方が明確に示されている優れたレポートだと思います。昨年度に引き続き、お客さま、従業員、NPO、行政などのステークホルダーの声や現場の写真も多数掲載されており、顔の見えるレポートとなっている点も特徴です。
トップメッセージにあるように、近年、経済のグローバル化や環境問題、少子高齢化、テクノロジーの進歩に伴う事業活動や消費者のライフスタイルの変化などが早いスピードで進行しており、次々と新たな社会課題が生み出されています。このような状況のもとで企業が本気でCSRを推進するためには、社会課題の解決を「本業」に組み込むCSVの発想が大切です。上で述べたように、SGホールディングスグループは、社会の課題や期待を「事業活動」に反映することで持続可能な社会の発展に貢献するというスタンスを貫いており、今回の特集ページでも同グループが総合力を生かして、食品メーカーの海外販路拡大に貢献したり、ショッピングセンター周辺の環境負荷を削減した事例が紹介されています。また、訪日外国人旅行者の満足度向上につながる「手ぶら観光」をサポートするサービス拠点の設置なども同様の事例です。このような本業を通じたCSRを心掛ける企業姿勢を高く評価したいと思います。
今回のレポートで最も評価したいのは、ISO26000に基づき特定したCSR重要課題について、各課題別に扉ページを設けて、「社会課題に対する認識」→「マネジメント(責任者)の声」→「中期目標・アクションプラン」を公開している点です。グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)はG4ガイドラインにおいて、特定された経済・環境・社会への影響に対応するマネジメント方法についての開示(DMA:マネジメントアプローチに関する開示)を求めています。また、2015年度は、佐川グローバルロジスティクス、SGリアルティ、SGシステムの3社を重点的に取り組むグループ会社と位置づけ、グループ全体のCSRのさらなるレベルアップを図りました。SGホールディングスグループは、ステークホルダーにとって必要な情報を積極的に開示すると同時に、CSRマネジメントの実効性を高める施策を着実に進めていると言えるでしょう。
佐川急便では、ポスト新長期規制適合車や天然ガストラックなどの環境対応車を全車両の約3割に相当する8,080台保有しています。また、サプライチェーン全体のCO2排出量(Scope3)を物流業界でいち早く算出・公開するなど、環境配慮意識が高いことで定評があります。今年度は、埼玉県東松山市に新たな物流施設を竣工し、CASBEEでランクA評価を受けるとともに、日本政策投資銀行による「DBJ Green Building認証」において最高ランクとなる5ツ星を取得しました。環境分野への取り組みは、グループの事業特性上、避けて通れません。今後も業界をリードする取り組みを推進していただきたいと考えます。
最後に、「個性・多様性ある組織づくり」について述べさせていただきます。ダイバーシティ(多様性)は生き生きとした組織づくりやイノベーションの創出に欠かせない要素です。2015年度に女性キャリア支援研修の対象職位や人数を拡大し、また、継続的に外国人従業員の雇用とキャリア育成に取り組んでいる点を高く評価したいと思います。

要望したいこと

SGホールディングスグループは、24の国・地域に拠点を持つグローバル企業体です。今回のレポートでは、海外グループ企業の事業やCSR活動が多数紹介されているものの、同グループが掲げる6つのCSR重要課題に関わるデータの開示は国内に限定されています。次年度のレポートでは、海外グループ企業におけるこれらの点に関する記述が充実することを期待します。

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